にきびとは
顔面や胸、背中にできる、赤いぶつぶつで、時に痛みやかゆみを伴います。①皮脂の分泌の増加と、②毛穴の閉塞があり、③にきびの原因となる細菌の繁殖によって起こります。
毛穴に皮脂がたまって、白くふくれた状態である、白にきび(面皰 めんぽう:ふりがな)から始まり、放っておくと、にきび跡(瘢痕)を残すこともありますので、早期からの治療が望まれます。
現在、皮膚科では、ほぼ世界と同レベルのにきび治療を保険診療で受けることができます。ドラッグストアなどの塗り薬などで改善しない方は、ぜひ受診してください。
ときに、皮膚のカビを原因とするマラセチア毛包炎との鑑別が必要です。
にきびの検査
皮疹部にマラセチアがいないか、顕微鏡検査をすることがあります。
にきびの治療方法(外用薬)
保湿薬
皮膚が乾燥すると、にきびは悪化します。毛穴をふさがない保湿をおこなうことが、一番大切です。
アダパレン
ビタミンA誘導体と類似した構造を持ち、毛穴のターンオーバーを促進し、毛穴の詰まりを改善します。また、肌のきめを整え、毛穴を目立ちにくくする効果もあります。使いはじめると乾燥、皮膚が細かくはがれる、紅斑、痒みなどが現れますが、軽度で一過性のため、根気強く使用することが大切です。効果を感じるのには、3か月ほどかかります。
過酸化ベンゾイル
ニキビの原因菌の抗菌作用や毛穴の詰まりを改善します。使用初めは、刺激症状が現れることがあります。効果を感じるのには、3か月ほどかかります。
抗菌薬
ニキビ菌に有効な抗生剤の塗り薬です。
※アダパレンと過酸化ベンゾイルの両方が配合されたものや、過酸化ベンゾイルと抗菌薬の配合されたものもあり、より使用しやすくなってきています。
アゼライン酸
アダパレンや過酸化ベンゾイルが刺激やかぶれで使用できない方が意外に多くいらっしゃいます。またお子さんや妊娠中・授乳中の方も、これらのお薬を使用することができません。当院では、諸外国でニキビのお薬として処方される、アゼライン酸を高濃度に含む外用薬(AZAクリア)を自費治療薬として、採用いたしました。刺激感は少なく、毛穴の詰まりを取り、ニキビ菌に有効で、美白効果もある優秀なお薬です。使い始めに少し赤みが出たり、少しピリピリ感がでたりしますが、慣れてきます。ゆっくり効いていきますが、いままでニキビの外用薬が使えなかった方に好評です。
トレチノイン
トレチノインは、ビタミンAの誘導体で、シミやしわ・たるみに効果を発揮しますが、にきびにも有効です。にきびの炎症を抑えたり、皮脂の分泌を抑えます。皮膚のターンオーバーも活性化しますので、ニキビ跡にもお使いいただけます。
にきびの治療方法(内服薬)
抗生物質
にきびが激しい時などの短期使用に向いています。
漢方薬(保険適応)
激しいニキビを抑えたり、化膿しにくい体質に誘導したりすることで、にきびがおさまっていきます。そのほかに、女性の方は、冷えや便秘、月経の異常などを改善する漢方薬を処方することにより、にきびが改善していきます。飲みやすい錠剤タイプもありますし、上手に内服できる方法もお伝えします。
ビタミン剤
ビタミンB2,B6を内服することで皮脂の分泌がコントロールされ、にきびができにくい肌になっていきます。
日常の注意点
スキンケアが基本です。小学生くらいのお子さまですと、洗顔の仕方と保湿剤の塗り方の指導で、かなり軽快します。
石けんや洗浄料による、1日2回の洗顔による皮脂のコントロールと、適度な保湿が大切です。
しっかり泡を立てて、きめこまかな泡でこすらないようにそっと洗いましょう。水けをふき取るときも、やさしくふき取りましょう。化粧品は、毛穴をふさがない、ノンコメドジェニックのものを使用しましょう。
毛穴をお掃除する効果の高い、ピーリング効果のある石けんをご紹介しています。クリニックでは、洗顔の仕方のご指導もさせていただいています。
自費(美容)診療
サンソリット スキンピールバー
グリコール酸により、手軽にピーリング(毛穴のおそうじ)ができる石けんです。使用すると、にきびのできにくい肌に変わっていきます。ピーリングの強さに段階があり、皮膚の状態や季節により、変更できます。まずはお試しサイズ(ミニピールバー)を体験してみてください。
GRAFA C10ローション
ビタミンCが高濃度(10%)配合された化粧水です。。ビタミンCを早期から皮膚に与えることで、にきびあとになりにくくなります。防腐剤フリーですので、肌に優しく、自宅でのキャリーオンFを使用したイオン導入にも使用できます。
JMEC アミノシナジー
アミノ酸とビタミンC配合のしっとり美白の化粧水です。防腐剤フリーですので、自宅でのキャリーオンFを使用したイオン導入にも使用できます。
ビタミンC内服
皮膚の再生を促し、にきびあとも予防します。
I2PLノーリス
I2PLノーリスは強い光と熱刺激をお肌に与える施術です。しみ・そばかす治療のほか、毛細血管の拡張・にきび菌の殺菌・真皮層に働きかけてコラーゲン量を増加させるなどの効果もあります。
キャリーオンF
忙しくて通院ができないときも、自宅でイオン導入ができる!C10ローションやアミノシナジーを使ってニキビ予防をしましょう。