巻き爪・陥入爪
陥入爪は、足の親指にできることが多く、歩いたり、踏ん張ったりしたときに、爪が皮膚に食い込み、痛みを生じるものです。
爪の先の食い込みが続くと、皮膚が炎症を起こし、大きくふくれてきます。肉芽が形成され、痛みや浸出液を伴います。
巻き爪は、爪が曲がることで、皮膚に食い込み、痛みを生じます。
当院では足浴をして、治療効果を上げています。
治療方法
治療方法を決める前に
まず、水虫の有無を顕微鏡で確認します。
多くの医療施設、フットケアサロンで行っている巻き爪の治療は、足の爪白癬(水虫)についてまったく考慮していません。当院では、爪白癬があれば、まずそちらを治療することを優先しています。
理由は巻き爪の原因のほとんどが足爪白癬だからです。水虫を完治すると、同時に巻き爪も治ってしまいます。
「足を見ればどんな病気もわかる」、と言っても過言ではありません。〝足は健康の基本〟です。最近は、蒸れやすいブーツや素足にサンダルなどファッション性の高いものを履いている女性に、爪水虫が目立ちます。当院は20年にわたり足の健康に着目した「フットケア外来」を行ってきた専門医が診察しています。フットケア外来ではのみ薬を処方するほか、フットバスを使ったケア、自宅での足の手入れや爪切りの指導も行います。
巻き爪で痛みがあるうちは、テーピングで食い込む爪を浮かせるようにすると、ほとんどの痛みはなくなってしまいます。そのうち足爪白癬の治療が進んでいくと、再発することのない爪に生まれ変わります。
爪切り指導
深爪により、爪はどんどん皮膚に食い込んでいきますので、爪の切り方を指導します。
爪の角を落とさず、真っ直ぐ切ることで、悪化を防ぎます。角はやすりで少し丸くします。ワイヤーなどによる爪の矯正が必要な場合は、専門の医療機関へご紹介します。
テーピング指導
爪が食いこんでいる皮膚をテープで引っ張り、痛みなく、爪を伸ばせるようにします。単純ですが、非常に有効です。
陥入爪の手術
巻き爪はテーピングと爪白癬治療でほとんど治ってしまいますが、それでも爪が足のゆびに食い込んでしまう「陥入爪」の患者さんには手術療法を行います。
従来の手術治療は、麻酔、手術、術後全てが痛いものでした。当院で行っている治療は、痛みの少ない麻酔を用い、爪母という爪の生えてくる部分を処理する方法(フェノール法:下記参照)で、時間は10分程度の日帰り手術です。もちろん治療後の痛みもほとんどなく歩くのに不自由はありません。腫れがひどいときでも問題なく治療出来ます。
フェノール法
爪が皮膚に食い込んでいる部位を根元から切り取る方法です。それだけでは、また爪が生えてきてしまうため、フェノールという薬剤を使って爪の根元を処理し、爪が生えてこないようにします。足指の根元から麻酔をするため、手術中の痛みはありません。少し爪が細くなるというデメリットはありますが、根治率はもっとも高く、他の治療では何をやってもよくならなかったという方におすすめです。傷が治るまでは、消毒軟膏のついた絆創膏を1日1回貼りかえます。手術当日から入浴はできます。