いぼとは
いぼとは、皮膚の一部が盛り上がったものをいいます。
【尋常性疣贅】いぼのウイルス(ヒトパピローマウイルス)が主に足や手に感染してできる
【青年性扁平疣贅】若い女性の顔などの小さな平らないぼ
【伝染性軟属腫(みずいぼ)】ポックスウイルスの1種が皮膚に感染してできる
などがあります。
おとなの首のまわりにできるいぼや顔などの皮膚にできる黒っぽいいぼは、うつるものではなく、加齢によってできる脂漏性角化症です。
尋常性疣贅・扁平疣贅は、皮膚の微小な傷にいぼのウイルスが感染して起こります。手荒れや足の裏の傷があると、うつりやすくなります。足のいぼは、うおのめと見た目が良く似ています。
伝染性軟属腫(みずいぼ)は、小さい子供に多く、光沢のある1~2ミリほどのいぼが皮膚にできます。皮膚の微細な傷から感染しますので、皮膚を良好な状態に保つことが大切です。皮膚炎がある場合は皮膚炎の治療を同時にしていきましょう。小学生になるころには、免疫力がしっかりしてきて、自然と消えていくことが多いので、それまでに数を増やさないようにすることが大切です。
いぼの検査
足の尋常性疣贅は、うおのめとよく似ていますが、ダーマスコープという皮膚を拡大してみる検査器械で見ると、毛細血管が多いことから、拡大すると、赤黒い点が多数見えます。
いぼの治療方法
局所療法
ウイルス性いぼ:放っておくと、大きくなったり、増えたりしますので、-200度ほどの液体窒素で凍結させる冷凍凝固法が一般的です。1~2週ごとに根気よく繰り返します。有効でない場合は、モノクロロ酢酸の塗布を行うこともあります。治療間隔があいてしまうと、ウイルスの勢いが盛り返しますので、定期的に通院しましょう。
伝染性軟属腫(みずいぼ):ピンセットによる摘除は基本的に行なわず、悪化の原因になっている皮膚炎の治療を行ないます。
内服薬
いぼの数が多かったり、難治の場合、または、顔のいぼで冷凍凝固法が選択しにくい場合は、ハトムギのエキスである、ヨクイニンの内服(保険適応)による免疫アップをお勧めします。免疫賦活作用のある漢方薬を処方することもあります。
日常の注意点
皮膚炎があると、ウイルスが感染しやすくなりますので、皮膚炎の治療も同時に行います。
当院でのみずいぼ摘除の流れ
- 1 受診し、担当医師からみずいぼの診断を受けてください。
- 2 看護師から、処置の痛みを軽減する麻酔テープをお渡しし、使用法をご説明します。
- 3 院内にて、テープを貼り、院内で30分ほどお待ちください。
- 4 時間が来ましたら、診察室にお呼びし、摘除を行います。
- 5 摘除した部位は、多少出血するためガーゼを貼ります。血が止まりましたら、ガーゼをはがしてください。
- 6 血が止まっていましたら、当日の入浴は可能です。
よくあるご質問
みずいぼを取らないとプールに入れませんか?
日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会の見解では、プールの制限はありません。
尋常性疣贅は、治療すればどれくらいで治りますか?
個々人により異なります。数週で治る方もいれば、1年以上かかる方もいらっしゃいます。治りにくい場合は、1週ごとの受診をお勧めしています。