あざ|岡山県赤磐市の皮膚科・美容皮膚科クリニック|赤磐皮膚科形成外科

岡山県赤磐市日古木794

あざ BRUISE

あざ

「あざ」にはいくつかの種類があり、その特徴や治療法が異なります。

皮膚の異常な色調を特徴とする「あざ」もあれば、隆起した「あざ」もあります。 またこれにもいくつかの種類があります。

あざの種類

茶色いあざ

表皮母斑

表皮母斑は、出生時または幼少時から見られる表皮の過形成によるあざです。原因は不明ですが、病理学的には、老人性のイボによく似ています。

扁平母斑

扁平母斑とはうすい茶色の盛り上がりの無い、平べったいあざです。ほくろのように皮膚から盛り上がることはありません。平たい、盛り上がりのないあざと言う意味で扁平母斑といいます。茶色いあざは、カフェオレ斑とも呼ばれます。通常は茶色のあざですが、茶色のアザの中に直径1mm程度の小さな黒い斑点がみられることもあります。多くは生まれつきありますが、遅発性扁平母斑といって、思春期になって発生する場合もあります。思春期になって肩に発生した場合には毛が生えてくる場合が多く、ベッカー母斑と呼ばれています。

青あざ

青あざは、色素細胞(メラノサイト)が皮膚の深いところ(真皮)に集まって出来るあざで、黒い色素は皮膚を透かすと、青く見えるのです。

生まれつき又は生まれて間もなく出来るものや思春期以降の大人になってから出来るものがあります。

蒙古斑・異所性蒙古斑

生まれつきの青あざの代表が蒙古斑です。蒙古斑は青いシミがお尻や背中にみられるもので、小児期のうちに自然に消失します。日本人にはほぼ100パーセントにみられる「あざ」ですが、胎生期の真皮メラノサイトの残存と考えられています。蒙古斑は通常5,6歳までに自然に消失し、さほど問題にはなりません。

ところがまれに腕や下肢のような、通常の部位以外にも蒙古斑がみられることがあり、これを異所性蒙古斑といいます。

太田母斑

顔面の片側に認められるのが太田母斑です。太田母斑は目の周りや頬を中心とした片側顔面にできます。思春期以降の女性に多いのが特徴ですが、乳児期から濃くなっていくものや両側に出来るものもあります。また、肩の周りにできる同じ様なあざは伊藤母斑と呼ばれます。

赤いあざ

血管腫・血管奇形などの血管の病気(赤あざ)については、最近では、血管を形作っている血管内の細胞が増殖してできるものを「血管腫」、血管内の細胞増殖がなく血管が異常に膨らんだり、集合しているものを「血管奇形」と呼ぶようになってきています。

いくつかの分類がありますが、4つについて説明します。

①乳児血管腫(イチゴ状血管腫)

出産直後にはみられなかったのが生後間もなく赤い斑点ができ、盛り上がり始め、数ヶ月で大きくなり、イチゴのように赤く盛り上がった形状です。1才ごろピークに達し、その後はゆっくり色が落ちていき、多くの場合小学校低学年くらいまでの間に赤みが引いてきます。

特に首にできた場合は、大きくなると、気道を圧迫し呼吸困難となったり、乳児の顔面に生じたものは眼球を覆って失明のリスクが伴うので、早期の治療が必要です。

②単純性血管腫(毛細血管奇形)

生まれた時からある赤い平たい「あざ」です。生まれつきの毛細血管の異常です。毛細血管は皮膚に広がる細い管ですが、それが異常に増えて拡がった状態です。自然に消えることはなく、ゆっくり色が濃くなったり大きくなったりすることがあります。大人になると盛り上がることがあります。

③静脈奇形(海綿状血管腫)

静脈奇形は、生まれつき静脈の成分が拡張・腫瘤化したもので、部位や大きさ、深さは様々です。体表面から青くすけてみえたり、手足の場合は下ろすとふくらむことが多く、石(静脈石)を触れることもあります。また、痛みをともなうことがあります。MRI、CTなどの画像検査を行って大きさや深さ、性状を検査します。

④動静脈奇形

動静脈奇形は、動脈→毛細血管→静脈という血管の構造をとらず、動脈から静脈に抜けてしまい、血流の早い病変が形成されたものです。動脈の血圧が、静脈にかかるので、多くの病変は進行性です。皮膚の赤あざや拍動性のこぶからはじまり、大きくなると出血や痛みを伴うことがあります。

治療方法

表皮母斑

表皮母斑は、自然に消退することはありませんので、治療には手術をおこないます。

年齢、大きさ治療方法によっては、他の部位からの植皮術が必要となるため、入院の上、全身麻酔による治療が必要となりますので総合病院をご紹介します。

外来でも可能な、液体窒素による冷凍凝固法は時間と回数はかかりますが、入院の必要がありませんので、検討して良い治療だと考えています。

扁平母斑

扁平母斑は悪性化(がんになる)は、ありません。そのため、治療は見た目の改善を目的にします。

扁平母斑の治療は、まずレーザー治療です。レーザーが登場して、扁平母斑の治療は様変わりしました。2回のレーザー治療が保険適応とされています。レーザーの長所は治療を行った部位に、キズが出来にくいことです。そのため、医師、患者とも安心して治療が行われます。扁平母斑に使用されるレーザーはQスイッチ付きルビーレーザーです。

扁平母斑がすぐ再発する場合には、レーザーの追加治療、または手術療法も考慮します。残念ながら全ての方にレーザーが有効ではありません。

小児にレーザー治療を行うと、有効率が高まるため、皮膚が薄い時期からレーザー治療を行う病院が増えてきました。生まれつきあざがある場合には、早めに専門医に相談することをお勧めします。

太田母斑

太田母斑や伊藤母斑のような後天性の青あざの場合には、自然に消退することはありませんので、 基本的な治療としてはQスイッチレーザー照射を行います。現在臨床にはQスイッチルビーレーザー、YAGレーザー、アレキサンドライトレーザーなどが用いられ、レーザーの種類により多少の経過の違いや治療回数の違いが見られます。

いずれのレーザー治療にしろ、治療中は痛みを伴うため、幼少時の治療には全身麻酔を要し、そのため入院が必要なこともあります。 また治療には健康保険が適応となりますが、レーザーの種類や適応となる限度があります。そのため、それを超えるものに関しては保険適応外の治療となることもあります。詳しくは当院院長にご相談ください。

乳児血管腫(イチゴ状血管腫)

乳児血管腫(イチゴ状血管腫)は、経過観察でよくなる、とされますが、最近ではできるだけ早期から色素レーザー治療を行います。理由は血管腫が縮小した後の皮膚がたいへん見た目が悪く、質感も「治った」とはとても言えない皮膚になるからです。現在はプロプラノロールの内服治療も承認され、より早期に赤みが消えることが期待されます。

毛細血管奇形(単純性血管腫)

毛細血管奇形(単純性血管腫)では、基本的にはゆっくりとした速さで病気が進んでいきますので、状況に応じてレーザー治療や、手術的が行われます。

静脈奇形(海綿状血管腫)

静脈奇形(海綿状血管腫)は、手術や特殊な薬剤を血管の中に注入して小さくする、硬化療法があります。MRIや超音波などの画像検査を行って最適な治療方法を検討します。

動静脈奇形

動静脈奇形が小さな病変の場合には、手術で切除を行うことが可能ですが、大きな病変でを切除をする場合は、出血や再増大の危険がありますので、総合病院をご紹介します。

血管腫、血管奇形には様々な種類があり、治療方法もそれぞれ異なります。早い段階での治療のほうができるだけ目立たなく治すことが可能となります。どのような治療法が適切なのかを知るために、なるべく早い時期の受診をお勧めします。