けが|赤磐皮膚科形成外科形成外科|岡山の皮膚科・形成外科

岡山県赤磐市日古木794

けが INJURY

けがとは

けがは受傷の原因、受傷時のキズの状態によって分類します。形成外科では、キズをなるべくきれいに治すように心がけて治療していきます。 創傷をきれいに治すためには、初期の治療が大切です。ケガをしたときには、形成外科へのできるだけ早い受診をお勧めします。 また休日で受診できない時も、次の日に形成外科を受診していただければ、よりキズが目立たなくなる方法をお示しできます。

けがの種類

切創(切りきず)

ガラス片や刃物などの鋭利なもので切れたいわゆる「切りキズ」です。

・浅い場合
可能な限り形成外科の技術をつかって縫合します。そのほうがきれいに治るからです。縫合が必要ない場合、けがをしてかなり時間が経過している場合は、「滅菌テープ」で清潔に固定するなどして、よりきれいな傷にしていきます。

・深い場合
顔面では顔面骨骨折、顔面神経や血管の損傷を伴うこともあり、形成外科専門での治療が必要となります。手足の切創では、比較的浅いところに神経や血管があるため、損傷を確認してから形成外科的縫合処置を行います。一般的には組織の損傷は軽度であり、創傷処置により1週間程度で治ります。

擦過傷(すりきず)(皮膚の表面が擦り取られた傷)

皮膚をこすりつけることにより、すりむけた状態のキズです。多くの場合縫合せずに治ります。しかし、細かい砂、ゴミなどが皮膚のなかに残ってしまう場合があります。

浅い創傷であれば、初期治療時に患部を十分に洗浄し、清潔にして軟膏を塗ります。ガーゼをせずに早く乾かすこともあります。深い創傷のときは、創傷被覆材を使用して上皮化を促進します。

裂挫創(皮膚が裂けたきず)

ものがぶつかったことにより生じた損傷で、キズのまわりにも損傷があります。周囲の損傷の程度により、治るのに時間がかかることがあります。デブリードマン(よくあるご質問参照)する場合もあります。

刺創(刺しきず)

先端の尖った鋭利な器具が突き刺さって生じる創で、創口が小さくても奥行きが深い事が特徴です。ときに折れた異物を除去したり、修復が必要となります。キズが小さくとも注意が必要です。

咬傷(咬みきず)

ヒトや動物に咬まれた後に生じるキズです。口の中の雑菌により、処置後の感染(バイキンの繁殖)の頻度は最も高いです。初期治療時に十分な洗浄、抗菌薬の投与、破傷風の予防注射などが行われます。キズあとが目立つことがあり、形成外科的再建を行うことがあります。

傷跡(きずあと)

けがなどで、皮膚の深くまで傷害を受けると「きずあと」として残ります。きずあとは、完全には消えませんが、きずの幅が広く、デコボコしたり、ひきつっていて目立つ場合は、瘢痕拘縮といって、手術により改善する方法を検討します。

手術では、形成外科の技術を用いて傷を目立たなくすることができます。「瘢痕拘縮」は、関節部や首など皮膚が引っ張られる場所にできるので、この引きつれを解除します(瘢痕拘縮形成術)。

次に、引っ張られる方向に力がかからないように、キズの向きを変えたり、近くの皮膚をパズルのように組み合わせたり、ジグザグに縫ったりして縫合します(局所皮弁術)。

けがの治療方法

手術による治療

形成外科的な縫合方法ですが、皮膚の真皮層を埋没縫合(=真皮縫合:よくあるご質問参照)してから皮膚の表面を細い糸で縫合します。抜糸は術後1週間以内に行います。抜糸後約3か月~半年の間、テープを直接貼って、安静を保つようにします。

1度で手術するには少しキズが大きい場合は、2~3回に分割切除術をすることできずあとを小さくすることができます。1回目から2回目の手術は最低半年、間をあけます。

ケロイドになっている場合の治療

基本的に手術しない方法(保存的治療)を行います。内服薬ではトラニラスト(リザベン®)が有効です。ただし副作用の問題で内服できない方がおられます。その時には、漢方薬の柴苓湯が使われます。外用薬ではステロイド軟膏、ヒルドイドソフト軟膏®を使用します。局所注射として、ステロイドをケロイドの部位に直接注射することもあります。赤みや盛り上がりに効果があります。硬い瘢痕の中に注射するため、痛みがあります。 他に、ケロイドは、絶えず力がかかる部位にできる傾向が強いので、傷を圧迫し、安静に保つ目的にステロイドのテープ(ドレニゾンテープ®)や、シリコーンシートを使用します。

よくあるご質問

Q

デブリードマンとはなんですか?

A

外傷の場合、創面に微細な砂、ゴミなどが残り、キズあとのなかに残ってしまう場合があります。この状態を外傷性刺青といい、かなり目立ちます。これを防ぐためには早期にキズの十分な洗浄とブラッシングを行い、細かな異物を除去します。ところが、異物がすべて除けない場合、また、鈍的外傷により生じた皮膚の損傷で、キズ周囲の損傷が激しい場合、キズの周囲をあえて切除して処置を行うことがあり、これをデブリードマンといいます。

Q

真皮縫合とは何ですか?

A

皮膚の真皮層を中縫いしてしっかりと寄せた状態にすることです。表面は細い糸で丁寧に縫います。真皮縫合は、形成外科の技術で、盛り上げて縫います。3か月ほどすると、だんだんと平らになり、きれいなきずになります。真皮縫合は、きれいに治るために行うのです。抜糸は1週間以内で、糸の跡が残らないようにします。抜糸後テープで傷を固定して傷跡がさらにきれいになるようにします。