異所性蒙古斑について
小さいお子さんにみられる青いあざ
蒙古斑と異所性蒙古斑を
ご存知ですか?
小児科のお医者さんは「大きくなったら消える」と言ったけれど、実際うちの子はどうなんだろう?異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)は健康保険で治療が可能です。悩んだら皮膚科専門医・形成外科専門医にご相談ください。
異所性蒙古斑の特徴
- 色
- 青や青紫色をしており、通常の蒙古斑と同じようにメラニンの集積によるものです。メラニンは黒いのですが、真皮の深いところにメラニンがあるため、皮膚の上から見ると青く見えるのです。
- 場所
- 背中やお尻以外の部分に現れます。顔や手やうで、あしなど、身体のさまざまな部位に出現します。蒙古斑に比べて異所性蒙古斑は目立つところに生じるため、ピコレーザーのようなレーザー治療の対象になります。
- 持続性
- 一般的な蒙古斑は幼少期に自然に消えることが多いですが、異所性蒙古斑は消えにくく、成人になっても残る場合があります。成長に伴って皮膚が厚くなるため、年齢とともにレーザー治療が効きにくくなるとされています。
- 治療
- 異所性蒙古斑そのものは痛みや痒みを伴わないため、手術などの治療は不要です。ただし、うでやあしにあるものは目立ちますし、色味の濃いものはうすくなるスピードは遅くなります。異所性蒙古斑は、健康保険によるレーザー治療が可能です。整容的な理由(見た目の問題)で治療するには、ピコレーザーを主にしたレーザー治療が選択されます。
※異所性蒙古斑自体は、医学的に問題となることは少なく、健康には影響を与えませんが、うでやあしにあるもの、大きいものや色調の濃いものは、成長に伴って見た目が気になるようになります。診断・治療については皮膚科専門医・形成外科専門医に相談ください。
蒙古斑と異所性蒙古斑の違い
蒙古斑は赤ちゃんや小さい子どもの背中やおしりに見られる青いあざのようなもので、通常は成長とともに消えていきます。
異所性蒙古斑は、蒙古斑でみられる部位以外の場所、たとえば、うで、あしのような四肢、顔面や肩、胸部に出現するものを指します。
治療について
治療は基本的に不要ですが、整容的な理由で目立つ場合やご希望があれば、レーザー治療(ピコレーザーなど)を用いることが可能です。ただし、治療によって完全に色素が消えるかどうかは個人差があるため、医師と相談しながら進めることが推奨されます。
異所性蒙古斑は保険診療による
治療が可能
異所性蒙古斑は5~6歳までに自然と消えることが多いですが、広範囲だったり、色味の濃いものはその後も残ってしまうことも。 お子さんのあざが残ったらと心配のお父さんお母さん。 しかし異所性蒙古斑をはじめ、青あざはレーザーによる治療が可能です。 当院ではあざを診察して適切な治療を勧めています。
困ったら
クリニックへお越しください
小児科のお医者さんは「大きくなったら消える」と言ったけれど、実際うちの子はどうなんだろう?異所性蒙古斑は健康保険で治療が可能です。悩んだら皮膚科専門医・形成外科専門医にご相談ください。
治療に使用するレーザー
蒙古斑を治療する際に用いられるレーザーは、主に色素性病変をターゲットとするレーザー治療法が用いられます。当院では、次のようなレーザーが使用されます。※健康保険での治療適応になります
- スイッチルビーレーザー
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Qスイッチルビーレーザーは、短い時間に強いエネルギーを発するレーザーで、メラニン色素沈着に対して効果的です。
※照射部位に保護材による遮光や慎重な施術後ケアが必要ですから、ピコレーザーが実用化されてからは、蒙古斑、異所性蒙古斑、太田母斑などのメラニンが原因のあざでQスイッチルビーレーザーが使用される機会はほぼなくなりました。
(5回までの照射が健康保険適応です)
- 効果:
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メラニン色素に選択的に吸収され、色素を分解します。特に青色や黒色の色素に対して効果的で、蒙古斑のような青みを帯びたあざに使用されます。
- 治療回数:
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5回までの健康保険による照射が認められています。数回の治療で効果が現れますが、色素の深さや広がりによって回数が変わることがあります。
- ピコレーザー(Picosecond Laser)
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ピコレーザーは、Qスイッチよりさらに非常に短いパルス幅(ピコ秒単位)で照射されるレーザーです。従来のQスイッチレーザーよりもさらに短い時間でエネルギーを放出できるため、周囲の皮膚へのダメージを軽減しながら、より効果的に色素を分解します。
(健康保険での治療適応になります)
- 効果:
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深い部位に存在する色素に対しても効果を発揮するため、蒙古斑・異所性蒙古斑・太田母斑にみられる真皮内にあるメラニンを効率的に治療することができます。ピコレーザーは、色素に対する効果が高いだけでなく、治療後の炎症や色素沈着のリスクが低いとされています。これは蒙古斑・異所性蒙古斑がある小児(赤ちゃんを含む)への色素性病変の治療において、安全性と効果を兼ね備えた選択肢となっています。
- 治療回数:
-
一回の照射で完全に消えることは少なく、通常は数回の照射が必要です。3ヶ月おきに治療を繰り返すことで、少しずつ色が薄くなっていきます。健康保険での治療適応になります。
ピコレーザー治療の
ポイント
当院ではシネロンキャンデラ社の「ピコウェイ」を使用しています
ピコレーザーの中でも当院で使用しているシネロンキャンデラ社の「ピコウェイ」は、より損傷が少なく、より効果を発揮します。
- 痛み:
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治療中は軽い痛みを感じることがあります。照射前に麻酔クリームで痛みを軽減します。
- ダウンタイム:
-
治療後に一時的に患部が赤くなったり、かさぶたができることがありますが、通常は数日から1週間程度で回復します。稀に、炎症後色素沈着(PIH)が発生することがありますが、時間とともに改善します。
- 治療の効果とリスク:
-
異所性蒙古斑に対するピコレーザー治療は、沈着した青や黒の色素をターゲットにし、徐々に消すことができますが、完全に消すことができない場合もあります。また、ピコレーザー治療による効きめには個人差があり、肌質や色素の深さによっても治療効果が異なります。リスクとしては、治療後の色素沈着や一時的な色素抜けがありますが、適切にケアを行えばリスクは低減します。
お子さんの背中やおしり以外の
場所に青いあざがあれば
異所性蒙古斑かもしれません。
皮膚科専門医・形成外科専門医
への相談をおすすめします。
費用について
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保険適用
※その他診察料や処方箋料
(処方がある場合)などがかかります。